2023年7月25日~26日にバンサーサウスで開催されたBRANDfest 2023に出席しました。
このイベントは2日間にわたり、20名以上のマレーシア出身のエキスパートが、ブランド・マーケティング・プランに付加価値を与え、活性化させるためのフレームワーク、ツール、テクニックとともに、多くの有益なケーススタディを紹介するというもの。
会場入りする前、広告業でマーケティングをしているという一人の女性に出会いました。本イベントは18年目に突入するが、彼女は10年連続で毎年出席しているとのこと。マレーシア企業のTOPマーケターの人たちが公演するから、最新のデータを得られるから、とても参考になるよ、と。なんと彼女はPenang(クアラルンプールから飛行機で数時間の島)から来ていました!受付開始は、なんと7:30! 昨年も大盛況で、8:00受付開始だったところを30分早めたとのこと。これは期待が高まります。
私も時間通りに到着、受付を済ませていよいよ会場へ、とその前に。驚いた事に、しっかりと朝食まで準備されていました。なんてありがたい…!さすが常に食事が用意されている所、マレーシアっぽいですね!毎回、マレーシアの人々のホスピタリティーには感謝です。
当日、会場には沢山の人が来場し、520人もの参加者で席を埋め尽くしていました。司会者によると、満席のイベントだそうです。私が改めてWebsiteでチケットを確認した時にはすでに売り切れておりました。オンラインでの開催もされていました。
ターゲット層は25-65歳と幅広かったようですが、比較的若い人、そして女性が多く見られた印象です。司会者から挨拶があり、1つのセッションから1つのアイデアを盗むのをお勧めしますとのこと。参加者はみんな、「学びたい・吸収したい」という意欲に溢れていました。
私が特に印象的だった公演を紹介します:
- セッション3:コンテンツマーケティングの変容
「デジタルマーケティング急成長時代におけるコンテンツマーケティングの新たな可能性 急成長するデジタルマーケティング」
コンテンツマーケティングとは、特定のターゲットオーディエンスを惹きつけ、行動を喚起する目的で、価値のある関連性の高いコンテンツを作成し、配信するという戦略です。
コンテンツマーケティングという分野自体は新しいものではないが、デジタルメディアの急速な拡大、ソーシャルメディアや新しいテクノロジーの影響力の増大は、コンテンツマーケティングに変化をもたらしています。
この言葉が印象的でした。
10社中9社がコンテンツマーケティングに取り組んでいます。従来の販売手法を超え、消費者に評価される出版物、ビデオ、情報、アイデア、エンターテイメントを通してブランドを促進します。
魅力的なコンテンツを作るための4つのヒント:
コンテンツの成功は、各要素が互いにどのように結びついているかに大きく依存するという事。
- 記憶に残るキャラクターを作る:こだわりがあり、反応が良く、応援してくれるファンにアピールする。
- 説得力のあるストーリー:関連性のあるストーリーを使う
- 感情を揺さぶる:適切な感情で強化する
- タイミング:適切なタイミングで展開し、増幅させる
印象に残る、ターゲットを絞ることが大事で、的確に伝えること。どんな職でも、毎日PCに向き合っていても、必ず相手はその先にいるお客様、ということに改めて気付かされました。
- セッション8:ChatGPT、AIとブランド
「“AIの覇権をめぐる熾烈な戦いは我々と何の関係があるのか?” ブランド・マーケターとして、あなたは問いかけ、深く考え、準備していますか?」
私たちの土台である、ChatGPTについてのSessionがありました。ChatGPTは将来どうなるか、という題材に沿って3つの例が挙げられました。
講演で取り上げた主なAIツールは、Midjourney、ChatGPT、Adobe Fireflyの3つ。Midjourneyはビジュアル・ジェネレーティブAIで、ビジュアル・アートを作成することができる。アミール氏は、Midjourneyを使ってストーリーボードを作成することを勧めるが、最終的な作品としては使用しないよう勧める。もうひとつの問題は、AIアートには著作権がないということだ。なぜなら、AIアートは人が作成したものではないため、知的財産権がなく、誰かがそのアートを他の場所で複製することができるからだ。
Adobe Fireflyもまたビジュアル・アートAIのひとつだが、今回はMidjourneyのような問題はなく、FireflyはAdobeのデータベースからライセンスされたストックフォトをすべて使用しているため、技術的には盗用ではなく、したがって「最終作品」として使用することができます。そのため、Adobeはストックイメージライブラリも持っており、すべての画像はライセンス契約をしていれば合法的に使用することができます。
しかし、彼らはまた、直面する可能性のある1つの問題を強調しました。というのも、現在、AIアートは非常に新しく、その能力を恐れ、誤解している人々によって、まだ非常に議論の余地があると考えられているというもの。ミッドジャーニー・モデルはウェブから取得した画像で学習されるため、AIアートが盗用されたものだと思われてしまうのです。
最後に、ChatGPTはコンテンツ生成の手助けをしてくれますがその提案のいくつかは、とても一般的で、実世界での経験がないため、文化や状況に当てはまらないことがあります。そのため、ChatGPTにさらに質問をすると、ChatGPTが最初に提案したシチュエーションを使わないように提案されることもあります。
最後のアドバイスは、AIは非常に優れているが、実はAIを恐れてはいけないということでした。戦略上、AIの生成モデルは人間よりも速く動作するため、多くのプロセスを削減できると言います。しかしスピーカーは、AIのアウトプットはあなたがAIに伝えたことに基づいているといいます。つまり、AIに詳細を伝えなければ、アウトプットは平凡なものにしかなりません。しかし、もしあなたが心を込めて何かを作れば、AIを使って驚くべきものを作ることができます。
というものでした。
AIやChatGPTについては、今後ますます私たちの生活になくてはならない存在になっていくと思うし、AIに助けられている人や企業もたくさんあるのだから、どちらが賢いとかどちらが正しいとかではなく、将来的には必ず共存すべきパートナーになると信じています。もっと便利に、もっと早く、便利な商品をAIと共にお届けできることを楽しみにしています。
まとめ
本イベントはローカルの人々に向けての公演であり、マレーシア発祥の商品に関する公演も多く、マレーシア好きの私にとってよりマレーシアを知る良い機会となった。合間合間にちょっとしたブレイクも挟み、最後まで飽きることなく楽しめるイベントであると思います。
マレーシア人は勿論、マレーシア在住のマーケターやデザイナーはこのイベント強くお勧めします。講演者皆様が分かりやすく説明をし、ユーモアに溢れるプレゼンでした。
有意義な時間を過ごせたのも、優しく接してくれたスタッフの方々、来場者の皆さん、席をキープしてくださったオーガナイザーの方々、朝食、ランチ、スナックまで作って提供してくれたシェフの方々、(料理は最高に美味しかった!)、そしてわたしにこのチャンスを与えてくれたチームメンバー、本当にありがとうございました。2024年もまたあの場所でお会い出来る事を楽しみにしています!
そして最後に私から1つだけアドバイスを…会場はとてもとても寒いので、ジャケットを持参することを強くお勧めします!